英語教師をしていた夏目漱石の、授業中のこと。
教科書に「I love you」という文章が出て来ました。
指名された生徒は「愛しています」と訳します。
夏目漱石は言いました。
「日本人が、愛しています、などという言葉で想いを伝えるかね?」
「では、どう訳せば良いのですか?」
「『君と一緒にいると、月が綺麗です』」
『蝉の羽』高里椎奈
〔あとがき〕より
このエピソード好きなんだょねー。
昨日やった問題集にも
「生憎の雨ですね」と外国人に挨拶したら
「広重は雨が好きでしたね」と、
外国人によって、我々が忘れていた独特の雨情を思い出させられた
というエピソードが問題として載ったりしていました。
いいなぁ。漱石の授業、受けてみたかった。
受験英語に於いて、そんな訳答えたらまず間違いなく×です。笑
国語の問題集は、解けないんだけど(ォィ)文章が沢山読めて面白い。
言い回しや言葉や詩情を、私は全然知らないから、きちんと勉強..違うな、身に付けて、おきたい。
スターウォーズでは、
長年いがみ合って来たハン・ソロとレイア姫が今生の別れになるかもしれないという場面で、
レイアが到頭、「I love you」と隠していた本心を伝えます。
台本では、ハン・ソロは「Me,too(俺もだよ)」と答える筈でした。
しかしそこで、ソロ役のハリソン・フォードはこんなアドリブを使います。
「I know (知ってたよ)」
[引用同じ]
最後に高里さんは、
「同じ内容を伝えるにも百の言い回しがあって、
聞いた人を千倍幸せに出来るかもしれません。
私も魔法の様な言葉を使える言葉使いになれたら良いなと思いました」
と締めていました。
仙人は霞を食べて生活する。
詩人や歌人、小説家は、言葉と想像を食べています。
勿論それは、一握りの人間にしか出来ないこと。
一般人は、煩雑さ、卑しさ醜さを引き連れて、這いずり回って生活しなきゃあいけない。
その生活の中に、
そんな一時が在れば嬉しい。
その一瞬が、世界を拓く。
読書と言葉と想像は、
世界を覗く、窓になる。